2013/04/15

London Saxophonic "an eye for a difference"

10年にわたって探していたCDを中古で入手。

London Saxophonicをご存知だろうか。イギリスのサクソフォン奏者が集結した、サクソフォン10重奏+エレクトリック・ベース+ピアノという編成のラージアンサンブル。初期のサクソフォンの布陣は、Tim Redpath、Simon Haram、Rob Buckland、Christian Forshaw、Andy Findon、Chris Caldwell、Will Gregory、Gareth Brady、Andy Scott、David Roachという、呆れ返るほどの豪華メンバーだ。

ファースト・アルバム「an eye for a difference(Tring 007)」はマイケル・ナイマンの作品集なのだが、大変な名盤にも関わらず廃盤となって久しい。2007年に演奏者の一人であるChris Caldwellにコンタクトを取ったところ、廃盤ということで音だけ送っていただいた。そこで初めて聴くことになったのだが、想像以上にクール、そして充実した響きに感銘を受けたものだ。それからも原盤探索を続けていたのだが、まさか今になってAmazon.co.ukで手に入るとは夢にも思わなかった→こちらからどうぞ。まだそこそこ数があるようだ。

それにしてもよりによってAmazon.co.ukか…懐かしいな。2006年か2007年のことだったと思うが、25ポンドでこの盤の中古が1枚だけ出ていたのを発見したことがある。当時クレジットカードを所持しておらず、このためだけに慌ててクレジットカードを作り(申し込みから審査、発行まで一週間ほどかかった)、再度Amazon.co.ukの売り場に行ってみたら売り切れていた、というのも今では笑い話だ。

というわけで、音だけはすでに持っていたためCDの内容のレビューは以前書いたとおりだが、改めて聴きなおすと本当に素晴らしい盤であることを再認識する。トラックリストは下記の通り。

【The Draughtman's Contract】
1 An Eye For Optical Theory
2 Queen Of The Night
【La Traversée De Paris】
3 Le Palais Royal
4 De L'Hôtel De La Ville À La Concorde
【And Do They Do】
5 Song 1
6 Song 2
7 Song 4
【The Piano】
8 Here To There
【Plotting For The Shopkeeper】
9 Plotting For The Shopkeeper
【Carrington】
10 The Infinite Complexities Of Christmas
11 Outside Looking In

ナイマン作品の中でもとりわけ好きな「光学理論の眼識 An Eye for a Optical Theory」と「夜の女王 Queen of the Night」(いずれも「英国式庭園殺人事件」より)がサクソフォンのアンサンブルとして見事に再構築されている。「パリ縦断」の「Le Palais Royal」「De l'Hotel de la Ville a la Concorde」は、ナイマンの複合リズムが面白いほどに聴こえてくる。グルーヴ感を保ったままと思ったらなんと最終トラックの「Outside Looking In」(「キャリントン」より)は、11分以上にわたるゆったりとした感動大作。意外ではあったが、各ソロも泣かせるほどの美しさで、聴き応えがある。

個人的に、歴代のサクソフォンアンサンブルのCDの中でトップ10に入るほどの盤だと思っている。とくにラージアンサンブルに普段から取り組まれている向きには、この強烈なサウンドをぜひ体感していただきたい。

3 件のコメント:

しまざきゆきこ さんのコメント...

ご無沙汰しております。Dapperのシマザキです。
London Saxophonic の「an eye for a difference」は私も大好きなCDです!
20年以上前にロンドンを旅行した時にたまたま購入しました。
「An Eye For Optical Theory」を演奏したくて楽譜が無いものだろうかとずっと探しております。

10年前の投稿を今頃発見しKuriさんも推しだったとは!!と感激して思わずコメントしました。

kuri さんのコメント...

ゆっこさん!ロンドンでこのCDを発見とは、すごい出会いですね。はい、私もこの投稿を書いたのはだいぶ昔ですが、未だに超推しです。1トラック目からキャッチーですよね。サクソフォンラージアンサンブルでは、世界で1番好きなCDですし、アルバムコンセプトという意味でもこれ以上のものはほとんど見つかりません。
楽譜は私もChris Caldwellに聞いてみたりしたのですが、どうも残っていないような雰囲気があります。ラージを演奏する機会はあまり無いのですが、また聞いてみても良いなと思っています。グループが解散してしまったのも残念ですね。

しまざきゆきこ さんのコメント...

そうですよね! 1曲目でやられました。
グループは解散してしまったんですか。。残念。