2012/11/13

モルゴーア・クァルテット「21世紀の精神正常者たち」

日曜日に、モーフィン・カルテットの公開マスタークラス(しかも聴講無料)があるそうだ。詳細はこちらから。もちろん土曜日の演奏会@津田ホールは伺うのだが、公開マスタークラスもまたちょっと違う趣でとても面白そう。

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久々に、サクソフォン以外の話題。買って堪能して、ブログに書かずに放ったらかしになっていたのだが、ふと思い出して引っ張りだしてきた。ジャケットのインパクトの強烈さ…個人的にはちょっとした嫌悪感すらおぼえる程なのだが(苦笑)いかがだろうか。言わずもがな、キング・クリムゾンの名盤「21st Century Schizoid Man」を模したもの。日本を代表するベテラン弦楽四重奏団のひとつ、モルゴーア・クァルテットの最新アルバム「21世紀の精神正常者たち 21st Century Non-Schizoid Men(DENON COCQ-84964)」である。

問題作にして名盤の誉れ高き「Destruction(東芝EMI TOCE-9650・廃盤)」と同一のコンセプトを現代に蘇らせたアルバムとして、発表直後から大きな話題となった。実際出てきた盤も、前評判通りの素晴らしいものとなった。

キング・クリムゾン - 21世紀のスキッツォイド・マン
ジェネシス - 月影の騎士
ELP - 悪の教典#9 第一印象・パート1
ピンク・フロイド - 太陽賛歌
ピンク・フロイド - マネー
メタリカ - メタル・マスター
ジェネシス - アフターグロウ
キング・クリムゾン - クリムゾン・キングの宮殿
イエス - 同士~人生の絆、失墜
キング・クリムゾン - スターレス

プログレの超名盤からの選曲、だがしかしその中でもコダワリを感じさせる選曲だ。個人的には、ELPが入っていたり、最後が「スターレス」というあたりに感涙。ちょっとジャンルを外したメタリカが入っているなど(これはプログレというよりメタルでしょう)随所から愛を感じる。

最初のトラック「21世紀のスキッツォイド・マン」から飛ばすが、テクニカルな作品でも穏やかな作品でもその濃密なテンションは変わらない。さすがに「Destruction」にあるような組曲中での曲間のゆるやかな繋がりは無く、ややアルバム全体としては掴みどころがなく感じるのだが、それでも一曲一曲が持つ魅力を弦楽四重奏に最良の形でアダプトすることに成功している。

あまり冷静に聴けなくてまともなレビューが書けないのだが、下のPVで少しでも興味を持たれた方はぜひ。ジャケットをみて敬遠してしまうのは、実にもったいないことだと思う。

「21st Century Schizoid Man」の一部が聴ける。CDは、Amazonで購入可能

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