2012/05/13

出島(いずしま)でのTsukubaSQ演奏

Tsukuba Saxophone Quartetのメンバーで、宮城県の女川町出島(いずしま)にて演奏してきた。

12日に仙台入りして前泊。2006年に三週間ほどインターンのため滞在したことのだが、東口も西口も、以前と変わらない駅前の様子を懐かしんだ。

日があけて本日13日、雲ひとつない晴れ空の下、まずは女川町へ。今回のお話を頂戴したKさんと、Kさんの仕事仲間のOさんに、車を出していただいた。震災前までは、仙石線で仙台→石巻、石巻線で石巻→女川というルートで電車移動できたのだが、現在は女川町へは車でしか移動することができない。およそ2時間の車中、さまざまな震災の爪痕を見ることとなった。到着目前になって、女川港が近づくと言葉を失った。津波のため、ある標高までの家は基礎を残して全て無くなっていた。

女川港からは、汽船"しまなみ"にて出島まで移動。今日はたまたま出島の寺間地区のお祭りで、女川港から乗る人も多くにぎやかな船内だった。船内からは、遠くに女川原子力発電所も見える。出島の出島地区桟橋に到着し、出島のYさんに車で送ってもらい、まず仮設住宅へ。出島は海の幸も山の幸も採れるとても豊かな地域だと話してくださったのだが、その言葉通りの大変美味しいお昼ごはんを頂戴した。当初の予定では、お昼ごはんを頂いたこの談話スペースで演奏する予定だったのだが、諸事情により演奏場所を寺間地区へと変更。女川町の女川第二中学校(現在は休校となっている)の屋外玄関先で音を出した後、お祭りが終わった寺間地区の番屋に向かった。

13:00から、番屋で演奏。今日の寺間地区のお祭りでの利用に合わせて建てられた、広い集会場のようなスペース。出島に住んでいる方も、"しまなみ"でいらっしゃった方も、たくさんの方が聴いて下さった。最終的に番屋の中で&番屋の外から、40~50人くらいの方が聴いてくれたのではないかな。福井健太さんアレンジの「超演歌宅急便」、サキソフォックスの「浪花節だよ人生は」「津軽海峡冬景色」「長崎は今日も雨だった」、そして協会アンサンブル譜の「浜辺の歌」、最後に「日本の四季メドレー」と、およそ50分にわたって演奏した。手拍子はもちろんのこと、リクエストも飛び出したり(楽譜上、応えられなかったのが残念!)、一緒に前に出てサックスカルテットをバックに歌ってくださったり、とても楽しんでいただけたのが幸いだった。やはり演歌系のレパートリーはとても良い!

たくさんの拍手をいただき、慌ただしく片付けて談話スペースに戻り、また少し食事をいただいたあとに14:55の"しまなみ"(本日の最終便)で出島を後にした。帰り道、Kさんが津波の大きな被害のあった石巻市の海岸線沿いを見せてくれるために、車で回ってくれたのだが、何10kmにもわたって津波に飲まれてしまった風景が続いていたのだった。テレビや写真で見ても、所詮四角く切り取られたほんの数100mの範囲が見えるだけなのだが、実際の様子は全く違うものなのだ…。そのまま仙台駅へ戻って18:30頃の新幹線に乗り、21:40には自宅最寄り駅へ到着した。

実際に行ってみるまでは、わからないことがいろいろあるものだと強く思った。津波のことや、我々のような一介のアマチュアの演奏で何ができるか、とか様々なことについて、である(具体的な内容は文字に起こさないので、直接会った時にでも聞いてください)。また、人とのつながりの大切さを痛感したのだった。今回のTsukubaSQの出島での演奏をサポートしてくださった、Kさん、Oさん、Yさん他、皆様に感謝したい。

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