2008/08/31

夏が終わるよ

私たちの大学の夏休みは、本日で終わり。そんな夏休みを振り返ってみようと思う。「研究もきちんと進めつつ」、そのほかにやったことは…。

7/1 行く半来る半コンパ…なんだかわからんけれど、飲みすぎた。
7/6 天久保オールスターズバンドのライヴに参加。暑すぎた!
7/10 門天ホールで蛹化の女。舞踏とサックスと映像が織りなす想像を超えた不思議空間。ショッキングな体験だった。
7/12 ラランさんの新CD発売記念コンサート。久々にラランさんに会えて嬉しかった。
7/13 Trio YaS-375 1stコンサート。PARSAXのすごさに慄く。
7/20 吾妻祭のライヴで吹いてきた。こんなにたくさん人の人の前で吹くのは久しぶり。
7/21 サクソフォーノ・ロッソの発表会に、Ensemble TXとして参加させていただいた。Julyのできなさに凹む。打ち上げは楽しかった。
7/31~8/1 研究科の友人たち9人と南伊豆へ。海で泳いだりBBQしたり花火観たり温泉に入ったり。リフレッシュ!
8/2 つくば市の洋菓子屋さん、コートダジュールで演奏。ジブリ系の難しさに驚く。
8/5 たこ焼き焼きまくり大会。学園祭への出店予行演習。お酒を飲みながら焼いた。やけどした。
8/9 Ensemble TXサクソフォン・コンサート本番。自分の楽器人生の中でも、思い出深い本番の一つとなった。
8/10 コートダジュールで演奏。まさか本番の次の日などとは思えず。
8/13 帰省。
8/14~8/17 Tsukuba Saxophone Quartetの合宿と花火大会鑑賞と演奏会@長野。お盆の時期であり、無理やり決行してしまったが、満足してもらえたようで(?)良かった。演奏会も、たくさんのお客さんにお越しいただきました。
8/23 コートダジュールで演奏。
8/24 まつりつくばへ遊びに行った。食べ物をつまみつつ、大道芸を観覧。
8/31 天久保オールスターズバンドのライヴ&コートダジュールで演奏。

あと、大量の個人練習、四重奏練習、ラージ練習など。昨年は、まるまる2ヶ月間、平日は朝から晩までインターンに行っていたので、それに比べると余裕のある夏を送れたのかなあ。

そして、次の大きなイベントは9/28のTsukuba Saxophone Quartetの演奏会。あと一か月、学校も再開されるが、エンジンの回転数を上手にキープしなければ。

2008/08/30

Legendary Saxophonists Collection カタログ翻訳完了

以前ブログでも紹介したThe Legendary Saxophonists Collectionだが、日本語の紹介ページを作ったのち、PDFのカタログの日本語訳をAndy Jacksonから頼まれていた。いろいろ忙しい時期とも重なってここ数ヶ月の懸案だったのだが、本日その翻訳作業が終了した。以下のリンク先から公開している。

The Legendary Saxophonists Collectionの紹介ページ

※日本語版カタログのアドレスは
http://www.geocities.jp/kuri_saxo/legendary_sax/legendary_sax_ja.pdf
(ブラウザのアドレスバーに貼り付けてください)

内容については今さら繰り返すまでもなく、19世紀から20世紀前半にかけて活躍したサクソフォン奏者の貴重な録音を復刻したものである。

例えば、マルセル・ミュール Marcel Muleの独奏者としての最後の瞬間を捉えた1958年のアメリカツアーの録音。シャルル・ミュンシュ指揮ボストン交響楽団との共演による、イベール「コンチェルティーノ・ダ・カメラ」とトマジ「バラード」。そして、インディアナ州エルカートのセルマー工場で録音された、ピアノとのデュエット(バッハ、グラズノフ、イベール、チェレプニン、トマジのバラード)。どれも絶品です。

シガード・ラッシャー Sigurd Rascherの演奏で、グラズノフ、イベール、マルタン、ラーションの協奏曲録音や、ピアノとのデュオ録音。ラッシャーやラッシャー四重奏団の演奏映像。面白いところでは、娘のカリーナ・ラッシャーとの、ヒンデミットのコンチェルトシュトゥックの演奏なんてのもある。私のシガード・ラッシャーに関する研究は、この録音資料に依るところが大きい。

日本国内では知られていない録音が多くあるので、興味ある方はぜひ!買ってみてください。音楽大学の図書館やサクソフォン科での、共同購入もオススメです。

Eulogyの出版状況

ホワード・サンドロフ Howard Sandroffの無伴奏アルトサクソフォンの作品「Eulogy」って、現在はHenry Lemoineから出版されているんだー、という驚き。

「ギリシャ組曲」の楽譜の裏のカタログを見ていて気付いた。しかも、棚田文則「ミステリアス・モーニング」やピアソラ「タンゴ・エチュード」と同じく、クロード・ドゥラングル・コレクションに入っているようだ。

この作品については以前ブログに記事を書いたが、私の持っている楽譜は日本サクソフォーン協会の出版である。知らないうちに、版権が移動したのだろうか?2つの組織が版権を持つ、ということはありえることなのだろうか。

2008/08/28

ミニマル・ミュージックへの憧れ(その1)

ミニマル三羽烏と呼ばれるスティーヴ・ライヒ Steve Reich、テリー・ライリー Terry Riley、フィリップ・グラス Philip Glassの音楽は魅力的であるし、「ミニマル・ミュージック」の名付け親であるマイケル・ナイマン Michael Nymanの音楽もまた、魅力的である。幸いなことに、彼らは少なからずサクソフォンを編成に含む作品を書いており、我々は演奏という切り口でも、彼らの音楽に容易に触れることができる(もちろん、彼ら大御所以外にも、ミニマル・ミュージック的な構造を持つ作品を書いている作曲家は多い)。

Steve Reich - New York Counterpoint
3楽章に分かれており、終始一貫した速度で進行するものの、各楽章では異なる3つの場面が表現される。パルスの遠近法、小型素材の優しいリフレイン、そしてジャズからの影響。もともとは12本のクラリネット(11本のマルチトラック・レコーデッド・クラリネットと、1本のソロ・クラリネット)のために書かれた作品であるが、サクソフォン版も存在する。サクソフォン版の演奏時には、8本のレコーデッド・トラックと4本の生楽器による演奏がオーソドックスな演奏スタイル(→YouTubeで観られる)。

参考音源は、Rascher Saxophone Quartetのものが面白いのだが、洗練された響きのDelta Saxophone Quartetのアルバム「Minimal Tendencies(Clarinet Classics CC0024)」を推しておく。イギリスでも老舗のカルテットであるが、メンバーの交代が激しく、最近ではヒュー・ホッパーとのコラボレーションも行っているとか(!)。

Terry Riley - Tread on the Trail
平野公崇さんがCDにレコーディングして以来、国内のサクソフォン界では急速に認知されるようになった感がある。ソニー・ロリンズに献呈されたこの作品は、まさにジャズからの影響をモロに受けた作品である。初出は1965年ということだが、信じられないほどにモダン、かつクールな響きがする。2000年に改訂され、ドローン音とハモリ音が追加された(以前の形で演奏することも可能)。

平野公崇さんの「ミレニアム(Triton)」は、冒頭に即興を交えたテンションの高い演奏。2000年の改訂新版に関しては、平野さんの同輩、サッシャー・アームブリュスターも参加したアルテ・クヮルテット Arte QuartettのCD「Assasin Reverie(New World Record)」から参照可能。

Terry Riley - Olson III
瞠目せよ!これぞ史上最強にして史上最凶&最狂、音楽学校の大合唱団と大オーケストラにライリー自身のソプラノサックスをフィーチャーした、ミニマル・ミュージックの極限形。指揮なし、コンサートマスターなし、歌い手が進行をそれぞれの判断に委ねられたときに、果たしてどんな音響空間が出現するのか。

…すみません。インパクト絶大です。ヘンなもの好きな方にはぜひオススメ。「Olson III(Cortical Foundation)」初めて聴いたときには、驚きと呆れを通り越してドン引きしました。あはは。

NSF Vol.25

野中貿易の機関紙、ノナカ・サクソフォン・フレンズの最新号がアップロードされていた。今回の更新は、いつもより少し遅かったような。

http://www.nonaka.com/nsf/magazine.html

伊藤たけしへのインタビュー、C.G.コーンのサクソフォン紹介、ハワイ大学サックスクワイア来日演奏会レポート…他。ジャズ(フュージョン?)の人へのインタビューって、なかなか読む機会がないものだから、こういうところで読むことができるのは嬉しい。

2008/08/27

Ext処理リード雑感

3.5extと3.5を行ったり来たり。難しいですな。

長いフレーズでも、リードが安定して響くあたりはExtの驚くべき部分だが、曲によってはその安定さ加減が重さとして感じられてしまう。サクソフォンの150年に及ぶ歴史の中で、楽器の自由度が抑制され、マウスピースの自由度が抑制され、ついにリードまで!というところだが、個人的にはちょっと窮屈すぎるか?

四重奏やグラズノフのバックを練習している分には、丁度良いのだが、ソロ(跳躍多すぎ)とか「セント・ポール組曲(休み少なすぎ)」に関しては難しいところだなあ。ソドレドファミ、なんて外したくないし。Finaleの最後のグリーンスリーヴスの裏でゼイゼイになっているのもいやだし。

演奏会まであとひと月。さて、どうするか。曲によって、上手に使い分けるのもひとつの戦略かもしれないが。

2008/08/26

NCSQ「On Track」入手が容易に

以前レビューしたニュー・センチュリー四重奏団 New Century Saxophone Quartetの最新アルバム「On Track(Alanna Records)」が、Amazon.co.jpで取り扱い開始されたようだ(こちら)!今までは、Alanna Recordsに直接オーダーするくらいしか方法がなかったのだが、これで国内での入手が容易になった。大変喜ばしいことだ。

改めて取り出して聴いてみる。JacobTVの「Heartbreakers」、カッコイイなあ。そのほかの曲も、実に面白い。メンバーが変わっても、NCSQはやっぱりNCSQだ。

マルセル・ジョセ Marcel Josseの経歴

マルセル・ミュール Marcel Muleが、1928年にギャルド・レピュブリケーヌ吹奏楽団の仲間と共に結成した四重奏団は、その後パリ・サクソフォン四重奏団、マルセル・ミュールサクソフォン四重奏団と名を変え、1966年までその活動を継続した。固定のメンバーではなく、数回にわたってメンバーの交代があるのだが、その最終期にバリトン・サクソフォン奏者を務めていたのがマルセル・ジョセ(ジョス) Marcel Josseである。

ジョセは1905年に生まれ、有能なチェリストとして16歳のときからBallets Sakharoff(バレエ団の管弦楽団?)のチェロ奏者として籍を置き、後にパリ・オペラ・コミーク管弦楽団へと移籍した。順風満帆に見えたジョセの音楽家としての人生だが、そのころ腕を痛め、チェロ奏者としてのキャリアと、パリ音楽院のディプロマへの入学を断念せざるを得なくなる。ここで方向転換を迫られたジョセは、サクソフォンに興味を示したのだ。1925年のことである。

当然のように、周りにはサクソフォンのための教本や先生などいない。そこでジョセは、チェロを学んだ経験を基にして、チェロの教本をサクソフォンに適用しながらこの楽器の演奏を学んだという。これはまた驚異的なことだ…ある意味、すでにしっかりとしたバックグラウンドがあるジョセならではとも言えようか。しかし、ジョセがサクソフォンに関しても飛びぬけた才能を示すことは、数年後に現実のものとなる。

彼は、サクソフォンと同時に和声と対位法を学び、プロフェッショナルなサクソフォン奏者として十分な技術を身につけた後、すでに1933年にはサクソフォンを教える側となったのだ。1935年、その高い音楽性と技術をマルセル・ミュールに認められて、四重奏団へ参加。1948年にバリトン・サクソフォン奏者となり、ミュール四重奏団の解散までバリトン吹きとしてその役割を全うした。

ジョセが演奏家としてどれだけ優れていたか、ということは、やはりマルセル・ミュール四重奏団のLPを参照することで良く分かる。ヴィブラートの使い方や跳躍を伴うフレーズにおいて、明らかにチェロ奏者のそれとわかる歌い方が散見されるのである。ちなみに、今ならオークションでも手に入れることができるようだ(私が所持しているのはMHS盤、木下さんにトランスファーしていただいたものはErato盤、オークションに出品されているのはコロムビア盤という違いはあるが、音源としては同一である)。

ここで、数年前のバンドジャーナルでクロード・ドゥラングル Claude Delangleがジョセについて語っている部分を引用してみよう。ドゥラングル教授は、パリ音楽院でダニエル・デファイエに師事する以前、リヨン音楽院でビションの門下生であった。そのビションは、ヴェルサイユ音楽院でジョセに師事した、という経験を持つ。ジョセの自身の/生徒の音色作りに対する考え方を示す、重要な証言である。

ビションは、『サクソフォンの音色は丸く、豊かで澄んでいて一定でなければいけない』といっていましたが、私は最近それをもう少し発展した考えを持つようになりました。ビションのそういった考え方は、マルセル・ジョセという先生からの影響が大きいと思います。ジョセはチェリストだったこともあって、音のつくり方など、実に具体的な説明ができる人でした管楽器の人は音色について割合とおおざっぱなイメージで捉えるのに対し、弦楽器の人はより具体的です。ですから、私の音に対する考え方も彼の影響を受けました。柔軟性を持ち、かつ安定したアンブシュアや支えられた息―そういった重要であるテクニックを残しながらも、他の楽器(ピアノ、オーボエなど)との室内楽の経験を通して、私自身が持っていたかつての考え方を広げることができたのです。それは、つまり”ほしい音が出せるようにすること”といえます。よい音は、ひとつではないということです。そして、それは”演奏相手により、必要に応じて音色を変化させること”ともいえます。

ところで、ジョセと言えばどちらかというとサクソフォンの教育者としての顔が有名ではなかろうか。ラクールがサクソフォンの初学者のために作曲した「50のエチュード」は、ジョセに献呈されているほどだ。ざっと教育者としての経歴を追うと、ヴェルサイユ音楽院、スコラ・カントルム、エコール・メルンという3つの学校で教鞭をとり、数多くの優秀な奏者を輩出したということである。前述のセルジュ・ビション Serge Bichonやギィ・ラクール Guy Lacourのほか、ベルナール・ボーフルトン Bernard Beaufreton、アンドレ・ブーン André Beun、ジャン・ルデュー Jean Ledieu…1970年代から1980年代にかけてフランスのサクソフォン界を支えた彼らは、全員がジョセの門下生なのである。

また、1972年にはサクソフォンのための作品コンクールを開き、そのコンクールに入賞した作品が出版されるようにするなど、レパートリーの開拓にも貢献したという。

2008/08/25

Philip Glass - Concerto Project Vol.3

フィリップ・グラス Philip Glassの「サクソフォーン四重奏のための協奏曲 Concerto for Saxophone Quartet」と言えば、秘曲中の秘曲?として名高いグラスのサクソフォンのためのオリジナル作品。4楽章からなり、美しいメロディと変拍子に彩られた傑作である。サクソフォン四重奏+オーケストラという編成のほか、四重奏のみで演奏可能なバージョンも出版されている。

で、この度その「サクソフォーン四重奏のための協奏曲」の新しいCDが出た、という情報をamazonのこのリンク先で仕入れ、これは!ということで買ってみた。「Philip Glass Concerto Project」と名付けられたシリーズのうちの一枚で、amazonのクレジット表記「Philip Glass (作曲), Dennis Russell Davies (指揮), Rascher Saxophone Quartet (合奏), Beethoven Orchester Bonn (オーケストラ) 」を見て、四重奏とオーケストラのバージョンの新録音か!?と思ったのだ。

今までは、ラッシャーQとシュトゥットゥガルト室内管のものしかなかったので、同じラッシャーQの再録ということならば、名演が期待できるではないか。数日の後に到着し、早速再生…。

しかし、なんとスピーカーから流れてきたのは四重奏バージョン!「なにー!」と思ってジャケットを良く見てみたら、なんとオーケストラは併録の「Concerto Grosso」にしか参加していないではないか!何という勘違いいぃ!ふう、力抜けたー…。

以前Orange Mountain Musicから発売された同じ四重奏バージョンとは、どうやら別テイクなのが幸いか。ソプラノがChristine Rall、アルトがElliot Riley(この人の名前は初めて聞いた)、バリトンがKenneth Connで、テナーが毎度おなじみ、創設当時からのメンバーであるBruce Weinberger。「Saxophone」では、たしかソプラノがCarina Rascherだったからなあ。

この作品に関する作曲者自身のプログラムノートなども書いてあって、資料的には手元に置いて損はないかな。でも、せっかくならばオーケストラと録音してほしかった(T_T)

ラッシャーQとシュトゥットゥガルト室内管の演奏も良いが、個人的には尚美学園大学のオーケストラと雲井雅人サックス四重奏団の共演が忘れられない。客席を一瞬にして飲み込んだあの独特の雰囲気は、今でもはっきりと思い出すことができる。ベートーヴェンで緩んでしまった空気の色が、グラスの冒頭のオーケストラの一音で、ふっと変わったのだ。そして、長音のみで構成されたメロディが入ってきて…。四重奏のみならず、オケもこの至難な作品に対して熱演だったことを覚えている。

開放音⇔レとか、ジャズとクラシックとか

9月の四重奏曲やソロの曲、ラージアンサンブルの曲をポツポツとさらっているが、こういうのが一番できないな。音色はつながらないし、音程はバラバラだし。グラズノフとか、フェルドの緩楽章など危険ポイントは数多い。

昔から試行錯誤はしているのだが、やはり一朝一夕にできるようになるはずもなく、アンブシュアを変えてみたり、フィンガリングの動きに気をつけてみたり、という中で、昔に比べれば少しずつは改善されてはいるのかなあ。

少し話題は変わるが、ジャズの人たちって何であんなにどの音も均等に滑らかに鳴るのだろうか。もちろんクラシックの奏者にも、ニュートラルな音を持つ人はたくさんいるが、ジャズの人たちのほうがむしろ、アマチュアの早い段階から音色に気をつけているような気がする。

もう一つ、最近思うこと。クラシックの音色も、ジャズの音色も、突き詰めれば同じところに到達するのではないかな、と思っている。その最たる例が、マルセル・ミュールであり、チャーリー・パーカーであり。もちろん、その音色でもって何をするかは別問題だけれど、理想の音色(坂田明氏風に表現するならば、"北極星")は、サックスという楽器に共通なのものだと思う。

2008/08/24

まつりつくば2008の大道芸

友達と「まつりつくば2008」を観に行ってきた。つくば市最大規模のお祭りです。きちんと周って観るのは初めてかも。

で、まつりつくばの見物と言えば、ねぶたもそうなのだが、アートタウンつくばが主催する大道芸!面白いのがたくさん。思いがけず、たくさん投げ銭。

「少子化対策」なるアルトサックス、テナーサックス、トランペット、トロンボーンとジャンベという編成のバンド。ウマイ&カッコイイ(゜∀゜)!!こういうニュートラルなサウンド、憧れますなあ。こういった音を聴くと、ジャズとクラシックの理想のサウンドに、隔たりなどないのではないかと思えてくる。サックスとジャンベのお姉さま方も素敵でした。

携帯で撮ったショートムービー。このムービーでは音質がイマイチであるが、生のサウンドはどこまでもスムーズでメロウ。


あとは、やはりパントマイムの「加納真実」かね。パントマイムとは言っても、今まで知っていたパントマイムとは全く違う。「準備体操」「恋人募集中」「せんたく」「恋」、どのネタも大好き。BGMもハイセンスなことこの上ないし、そして芸はこんなにシュールで高度な笑いなのに、その場にいた全員をぐっと惹きつけてしまうのが凄いなあ。

ついうっかり二回も観てしまった(同じネタなのに)。観たことない人は、一度くらい目にしておくことをオススメいたします。

そのほかにも、ファニーボンズやねおみ&ウジェーヌ、中国雑技団の驚きのパフォーマンスなどを楽しんだ。たこ焼き、大判焼き、ケバブをつまみつつ。

大道芸って、とにかく外面へ向けて発信するパフォーマンスだなあ。サックスを練習しているときなど、内面を掘り下げているとうっかり忘れがちになるが、最終的にはお客さんに聴かせるわけなのだから、外界への発信に関しても良く考えないといけないな。と、そんなマジメなこともちょこっと考えたのでした(笑)

2008/08/23

ラーションの「協奏曲」を聴きつつ

今日はつくば市の洋菓子屋さん、コートダジュールで演奏。もう3回目になるが、ピアノとサックスで、3~4人くらいで出かけて行って、ローテンーションしながらBGMっぽく演奏するのだ。アルトをこれだけ長い時間吹いたのは久々で、口が少し疲れた(´д`)ううー

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ラーシュ=エリク・ラーション Lars Erik Larssonの「協奏曲 Konsert」。結構好きな曲で、頻繁に聴いたりもするのだが、この曲を通して聴いていると、第1楽章のヒロイックな感じとか、第3楽章の新古典主義的でもありつつコミカルな感じも良いのだが、やっぱり雄大な第2楽章に曲中の重心が置かれているような気がする。サックスがアルティシモの領域まで駆け上がって、長音を伸ばしきるところなど実に感動的で…。

はじめて聴いた時は、むしろ第1楽章に立ちはだかる圧倒的なフラジオの壁みたいなものに、耳が吸い寄せられたものだが、それに慣れてくると、今度はその超高音域を使用してどんな世界が表現されているか、という方向に頭が働いてくるのですな。当たり前といえば当たり前だが。

ラーションの、アルティシモの使い方は筆舌に尽くしがたい。基本的には巡航速度なのだが、曲中のここぞ!という瞬間のアフターバーナー。イベールのような「飛び道具的」というのとも何か違う、楽曲の構造中に、計算されてフラジオが組み込まれているのだなあ。

シガード・ラッシャー演奏のラーションを聴いている。第2楽章の雄大さなどは、言葉を失う。第1楽章と第3楽章のカデンツァにおける圧倒的なヴィルトゥオジテ。そして最後の最後、驚くべきことに拍手が入っている。この完成度の高い演奏は、なんとライヴ録音なのだ…。

そういえば、ラッシャーもそうなのだが、ジョン=エドワルド・ケリーのラーションの録音で、フラッタータンギングとスラップタンギングとに驚いた方もいるかもしれない。しかし、これは何となく演奏しているわけではなく、独奏パートの楽譜を弦楽器的に捉えれば、トリルよりもトレモロ(フラッター)のほうが自然であるし、スタッカートよりもピッツィカート(スラップ)のほうが自然である…そういったラッシャー派の研究の結果によるものなのだ。

2008/08/22

ナイマン・バンドのカルテット

未だ不確かではあるが、興味深い情報。マイケル・ナイマン Michael Nymanバンドの現行サクソフォン奏者…Rob Buckland、David Roach、Simon Haram、Andy Findon(いずれも、イギリスを代表するサクソフォン奏者である)が、マイケル・ナイマンの作品を四重奏に編曲してレコーディングしているそうだ。発売は年末とのこと。早く聴きたい!

イギリスのサクソフォン、しばらく見過ごしていたが、これからもどんどんと面白くなりそうだ。日本から、だれかギルドホール音楽院あたりに留学してくれないかなあ。

ちなみに、いまイギリスのサクソフォン界で注目すべきは、フルートが専門のアンディ・フィンドン Andy Findon。彼はサクソフォンも吹くのだが、2枚リリースしているフルートとサックスの多重録音のCDが、実に面白いのだ!

このページから試聴できるが、「プロスペローの本」のサントラのアレンジとか、レッド・ツェッペリンの「天国への階段」とか、はたまたハチャトゥリアンの「剣の舞」とか、選曲も演奏も、がっつりと人を喰った感じが◎…(^^;

2008/08/21

侮れないぞ、協会の楽譜

私は日本サクソフォーン協会のB会員なのだが、協会から送られてくる封筒に、楽譜が同梱されていることがある。最近、その楽譜を実際の演奏に使う機会があったのだが、これがまた侮れないほどに良いのだ!手元にある楽譜は、以下の5つ。

もみじ(AATB)
ふるさと(AATB)
浜辺の歌(SATB)
シャボン玉(AATB)
おぼろ月夜(SATB)
冬景色~雪(SATB)

この5作品の編曲者は、"くぼた まり"さん。こういった童謡は、編曲する際に同じメロディの繰り返しをどのように飽きさせずにアレンジするかが、編曲者の腕の見せ所だと思うのだが、シンプルさを損なわずに何種類かの洗練された響きを構築する手腕が見事だと思う。サックス吹きではなく、作曲家か編曲家の仕事だと思うのだがなあ、どうなんだろ。

AATB編成の楽譜もあるが、音域を考慮すれば上手くSATBに書き換えることも可能だ。また、div.で重ねても綺麗に響く。「ふるさと」などは、先日の演奏会のアンコールでも演奏したが、(少なくとも演奏したメンバーには)なかなか好評であった。「浜辺の歌」の、妙にゆったりとならずに前進感が出るアレンジはなかなか。そんなわけで協会員のみなさま、見過ごすのはもったいないですよー。

こういう付録は、良いなあ。サクソフォーン協会には、ぜひこれからも続けて欲しい。

2008/08/20

TSQ信州公演のプログラムノート公開

Tsukuba Saxophone Quartetのページ上で、先日の長野県における演奏会の、プログラム冊子に掲載した曲目解説全文を公開しました。リンク先のページから、「プログラムノート」をクリックしてください。

作成にかけられた時間があまりなく、全体にわたって雑然としておりますが。

TSQ合宿のフォトレポート

8/14から8/18にかけて、Tsukuba Saxophone Quartetの合宿&演奏旅行を決行。何年も前に買った、古いデジカメを持っていき、何枚か撮影したのでアップしておこうと思う。

宿泊場所は、私の実家の実家(つまり、祖父母の家)。祖父が数年前に亡くなって以来空き家となっており、今回はそこをお借りすることとなった。写真は、一日目の食事。実家からおこわやスイカを差し入れてもらい、私もゴーヤチャンプルや角煮などを仕込んだ。



練習場所の町民会館へは、川べりを歩きながら移動。日差しは強いけれど、風が涼しくて気持ちいい。で、川を見たメンバーたちは…





ちょこっと川遊び。もちろん練習後(^^;







今回の合宿のもう一つのメインイベントは、諏訪湖花火大会!こちらに関しては、N家とM家の方々に大変お世話になりました。絶好の位置に席を構えて、待つこと3時間。




日が暮れて…










わー








ひゃー








ちゃんと練習もしました。冷房が効いていて、広い部屋で、快適!花火の次の日は、朝から夕方まで昼休憩を挟んで練習。合宿っぽい!





あっという間に本番。下諏訪駅からはタクシーで移動し、着いた先は風が吹き抜ける諏訪湖畔。






下諏訪町ハーモ美術館です。







演奏会場となった、ハーモ美術館内のティーセントホール。デザイン画に囲まれた素敵な空間に、ベーゼンドルファーのピアノが鎮座している。今回はピアノを使わず、サクソフォンのみの演奏会。70人近くのお客様にお越しいただき、大盛況だった。宣伝に関しては、さすがN家のお母様に頭が上がりません(笑)。


演奏会後、美術館のフロントで。今回の演奏会のメンバー9人。この写真に関しては、N家のお父様が撮影したものをお借りしました。ところで、後ろに見えるのは有名なダリの時計だが、「ダリ自身の作による世界に7つしかない彫刻のうちの一つ」、だそうだ。すげー。


駅前で打ち上げして、宿泊場所に戻った。もう夜の9時だ…。






宿泊場所に戻ってから、トランプとUNO(妖怪うにょうにょ)で朝の4時まで遊びましたとさ。もうこの写真を撮ったのは終盤かも。





みんなは、次の日の朝に帰っていきました。

2008/08/19

こいつぁスゴイ!

たまに、こういう手放しで楽しめるアルバムが出てくるのがうれしい。イタリアのサクソフォン奏者、マリオ・マルツィMario Marzi氏の最新アルバム「Milonga del Angel(Stradivarius STR 57906)」。すでにmckenさんがブログ上でもウェブページ上でもとびきりのレビューを書いている。

これは、すごい。カプースチンの「8つの音楽的エチュード」や、ヘンク=ファン・トゥイラールト氏の「Tango」、そしてモルゴーア弦楽四重奏団の「Destruction」、アレッサンドロ・カルボナーレの「No Man's Land」を、それぞれ初めて聴いた時に匹敵する衝撃を受けた。

なんじゃそりゃと思われる方もいるかもしれないが、とにかく「超カッコいい!熱い!楽しい!」の三拍子揃ったCDということ。いやー、良いなあ。最高です。

Egberto GISMONTI「Cego Aderaldo」
Egberto GISMONTI「Palhaco」
Egberto GISMONTI「Karate」
Chick COREA「Children's Songs」
Simone ZANCHINI「Valzer storto」
Hermeto PASCOAL「Chorinho pra ele」
Ernesto NAZARETH「Cavaquinho」
Astor PIAZZOLLA「La muerte del Angel」
Astor PIAZZOLLA「Milonga del Angel」
Astor PIAZZOLLA「Libertango」
Astor PIAZZOLLA「Oblivion」
Astor PIAZZOLLA「Escualo」

編成は、サクソフォン+アコーディオン+ピアノ(+時々パーカッション)というもの。どこかで聞いたことのある編成だなあと思ったら、須川さんもほぼ同じ編成で「Cafe 1930」をリリースしているじゃないか。しかしこのアルバムは、まさか同じ編成とは思えないほどのスーパー・ファインプレーが印象的だ。ところで、んー、全体的にサックスよりもアコーディオンのほうが印象に残るのはしょうがないかな(笑)。アコーディオンを弾いているSimone ZANCHINIは、かなり有名な方のようだ。アコーディオンが、こんな素晴らしい楽器だということを初めて知った。

のっけから、アコーディオンの超高速リフに圧倒され、そこに負けじとハイ・テンションなサクソフォンが絡む。コードを外れるか外れないかのところで繰り広げられる、ギリギリのアドリブバトルが凄い。聴きながら、思わず「うおー」と声を上げてしまったのは秘密だ。ほかの曲でも、サックスとアコーディオンとの高速ユニゾンや完全即興など、どこを切りだしても聴きどころばかり!

どの作品の演奏も良いのだが、お勧めをジスモンティの3曲と、ピアソラの「リベルタンゴ」かな。「リベルタンゴ」なんてもう聴き飽きたという方が大半だと思うが、最初のアコーディオンの完全即興なんて、今まで聴いたインプロヴィゼーションの中でも最高のもののひとつ。凄すぎ。

イタリアのレーベルなのだが、amazonから購入できる。ぜひ買って聴いてみていただきたい。

YouTube上に、同じバンドでの演奏動画があった。

2008/08/18

Adolphesax.com Channel on YouTube

スペインにおけるサクソフォンのポータルサイトとして有名な、ご存じAdolphesax.comのチャンネルが、YouTube上に作成されているのを発見した。現在のところ、2年前に行われたディナンの国際コンクール動画が少しずつアップされているようだ。下のリンクから、参照することができる。

http://youtube.com/profile_videos?user=AdolphesaxTV

今までは、IE上でのみ動作するMedia Playerプラグインを使うしかなかったのだが、YouTubeから鑑賞できるのはありがたい。本戦の課題曲だった、Antonio Felipe Belijar演奏のピート・スウェルツ「コテカン」を観てみた。久々に観たが、改めてすごいなと思った。

・前半


・後半

TSQ合宿終わり

8/14から続いていた、Tsukuba Saxophone Quartetの長野合宿&演奏旅行が終了。参加人数9名!私の実家の実家に泊まりながらの、練習と花火とトランプと本番の日々。

最終日の演奏会では、予想を大幅に上回るお客様にお越しいただいた(ありがたいことです)。昨晩は打ち上げをして、宿泊先に戻り、飲み食いしつつ朝の4時までトランプ。今朝は、これから吹奏楽団への志賀高原合宿へ行く4人と、つくばに戻る3人を見送ってから、私は実家に戻った。

楽しかったなー。合宿の詳しいレポートは、後日載せます。あと、長野日報と諏訪市民タイムズ(?)に昨日の演奏会の様子が載るらしい。

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インターネットに接続するのは5日ぶりくらいなのだが、RSSリーダーの更新通知が200件、迷惑メールが500件ですかい。気分は浦島太郎。

2008/08/17

長野公演のお知らせ

※演奏会当日まで、この記事をトップにしておきます。最新の更新は、一つ下の記事となります。

長野県での演奏会です。休憩なし、トークを挟みながらのミニコンサートになります。しかし演奏者にとっては、微妙に内容は重かったりします(笑)。お近くの方は、ぜひ足をお運びください。

【Tsukuba Saxophone Quartet - 信州コンサートツアー Saxophone "Mini" Concert】
出演:Tsukuba Saxophone Quartet
日時:2008年8月17日(日曜)15:30開演
場所:長野県下諏訪町ハーモ美術館
料金:入場無料(美術館への入場料は必要ありません)
プログラム:
J.フェルド - サクソフォン四重奏曲より
オムニバス - 日本の四季
G.ホルスト/TSQ - セント・ポール組曲より 他
問い合わせ:
http://tsukubasaxophone.blog51.fc2.com/
kuri_saxo@yahoo.co.jp

2008/08/13

長野公演のプログラム冊子

長野でのTsukuba Saxophone Quartetの演奏会の、プログラム冊子の作成完了。ちょっと多めに100部。最初はB4を折っただけの簡素な形にしようかと思ったのだが、結局1ページあたりA5(見開きでA4)、計8ページの冊子になってしまった。外装の色は、ポスターと同じく緑色。

昨晩から、原稿書き→校正→レイアウト→印刷→折る→ホチキス固定、をひたすらやっていたのだが、曲目が決定した時点で曲目解説くらいは書いておかないと、後で痛い目を見る、ということですな。あはははー、ははは、はあ…(u_u)

…疲れた。が、今は休む暇はなく、帰省の準備と今日の練習の準備をしなければ。

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ああ、そうそう。昨日撮影したTSQの集合写真があまりにも素敵だったので、サイズを小さくして載せときます。

2008/08/12

Ensemble TXを振り返って

たまには、ですます調。

挨拶が遅くなってしまいましたが、Ensemble TXのサクソフォン・コンサートへお越しいただいた皆様、ありがとうございました。

今回は、ソプラノの守屋さんとバリトンのゆうぽんさんが中心に企画運営を行ってくださったため、私はほぼ純粋に演奏者としてこの演奏会に携わることとなりました。まあ、パンフレットの製作と印刷などは行いましたが、その程度です。そのため、演奏者としてどうこの演奏会に関わるべきか、ということを考えて臨みました。

私自身は、他の3人に比べると技術も表現力も劣ります。響きも貧弱だし、音も小さいです。そして、"つまらない音楽"を奏でることしかできません。人を惹きつける、そんな演奏がしたいと思いつつも、自分のソルフェージュ能力のなさに凹みながら地味にさらい続けるしかなかったのでした。唯一できたのは、"盗む"こと。本番までに、たくさんのことを吸収するように一回一回の練習をこなしてみたつもりです。

いままで一緒に演奏したことのなかったメンバー(サックスに限らず)との演奏は、新鮮そのものです。私にはまだ知らないこと、やるべきことがあるのだと、強く気づかされました。

うーん、他にもいろいろあったのだけれど、私にとっては、大きな経験の一つになったこと、そしてとても楽しかったこと、それに尽きるのでしょうか。うまくまとまらないなあ、咀嚼に、もうすこし時間がかかるのかもしれません。書けるときが来たら、きちんとまた書こうと思います。

2008/08/10

小林秀雄(作曲家)のことば

練習室に放置されていた、合唱曲集の冒頭に置かれたことば。作曲家である小林秀雄が、「最近の」合唱作品に対して思うことを、つづった文章である。

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…私は、歌詞や内容のすべてが聴衆に完全に伝わる、明るい音楽を創作の中心に据えます。そして、粗雑で軽薄な音楽を廃します。
 ところでわが国では、歌詞の内容やそれを歌う表現目的などが全く伝わってこず、ただひたすらコンクールやコンサートなどで大見得が切れるような、いうならば〈難しさのための難しさ〉を目的とした曲が量産され、また、なぜか暗い、深刻ぶった作品を〈明るく軽快でダイナミックな作品などよりも〉高く評価したがる、陰湿な精神主義がいまだに存在します。そうかと思うと「技巧よりも心」などといい、技術の拙劣さを心や情緒の話にすりかえてしまいます。
 
 「明るい、わかりやすい音楽を、正格(※)な技術で演奏する。内容や心は、それに乗って滲みでてくる」。

 これが音楽です。

1984年7月 小林秀雄

※正格:規則の正しいこと。また規則にあてはまっていること。

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何という素晴らしい言葉であろうか。もっともシンプルでありここまで重要なことだけあって、逆にこうも断言できることが凄い。こんな言葉が活字になって出てくることなど、なかなかないとは思うのだが…。我々は、この言葉の前には無力であり、ただひれ伏すのみである。

アマチュア合唱界への言葉として留めておくのがもったいない。プロアマ問わず、"音楽"に携わるすべての作曲家と演奏家が、心に刻むべき言葉ではないだろうか。この当たり前のことを解って音楽に携わっている人が、いったい何人いるのだろうか。

本番終了しました。

ふいー。楽しかった。

いろいろ感慨はあるのですが、また後日ゆっくりと。これから洋菓子屋さんでの本番。

2008/08/09

演奏会のお知らせ

※演奏会当日まで、この記事をトップにしておきます。最新の更新は、一つ下の記事となります。

というわけで、東京での演奏会です。今週末、土曜日の昼。お越しくださいませ。私は四重奏の中でテナーを吹きます。あと、今まで殆ど吹いたことのないアルトサックスも吹きます。どきどき。

【Ensemble TX サクソフォン・コンサート】
日時:2008年8月9日(土) 13:30開場・14:00開演
会場:音楽専用空間クレモニア・ホール
(交通:JR中央線または東京メトロ丸ノ内線荻窪駅より徒歩3分)
(地図:http://philstone.at.infoseek.co.jp/mapnew1.html)
料金:入場無料
プログラム:
・ブエノスアイレスの四季(A.ピアソラ)
・July(M.トーク)
・かくれんぼ(R.クレリス)
・Sonatina“PARSAX”(F.フェラン)
・天頂の恋(長生淳)
問い合わせ:
http://ensembletx.exblog.jp/
ensembletx@excite.co.jp

2008/08/08

明日は本番

久々の大きなステージだ(舞台は狭いが)。よし、がんばろう。

家族や知人が何人も来てくれるとのこと。そして共演者やスタッフの方々。いろんな方への感謝の気持ちを忘れずに、本番を迎えられれば良いな。

http://ensembletx.exblog.jp/

アンサンブル

吹奏楽くらい大きな編成になってしまうと、個人の技量レベルって分からないもんだなあと思う。やっぱり、基本はアンサンブルから、かな。バンドも良いけれど、もっとみんな(クラシックの)アンサンブルを組めば良いのに。

やり方がわからない?曲を知らない?そもそも演奏を聴いたことがない?少なくとも、日本では聞いたことないなあ。自分の経験を振り返っても、小中高を通て考えても吹奏楽でアンコンに出たときくらいしかないもんなあ。世界を見渡したときに、音楽教育のシステムの中に小編成のアンサンブルを組み込んでいるところはどのくらいあるのか。やっぱりフランスとかだと、盛んなのですかね。

8人いなくても、4人いなくても、3人いなくても、Voxmanから始めれば良いじゃん。定常的でなくたって、たった一時間の合わせでも、得るものはあると思う。

…と、昨日練習室で吹いていたときに思ったのでした。吹奏楽団の現役団員にも、いろんな人がいますわな。

2008/08/06

ラリー・ティールの録音

アメリカにおける、クラシカル・サクソフォンのパイオニア的存在であるラリー・ティール Larry Teal(1905 - 1984)。初期の頃は、ジャズバンドにおける奏者としてキャリアをスタートさせたそうだが、後にクラシックの語法を習得。さらにアメリカ国内で初めてサクソフォン科の教授に就任し(ミシガン大学)、多くの後進を育成した。演奏者としても、グラズノフとイベールの協奏曲を国内初演するなどしたということだ。有名なバーナード・ハイデン Bernard Heidenの「ソナタ」は、ティールのために作曲されている。

ここまで読んで「ラリー・ティール?なぜか知らないけれど名前だけは聞いたことあるぞ」と思った方もいらっしゃるだろう。おそらく、この本が原因ではないだろうか。大室勇一氏が翻訳した「The Art of Saxophone Playing(邦題:サクソフォーン演奏技法)」の原著者こそが、ラリー・ティールなのである。中学・高校・大学時代に、この本がサックス棚に置かれていた、という方も、多いのではないだろうか。かく言う私も、高校時代にはかなりお世話になった教本だ。

さて、そのラリー・ティールだが、残念なことに際立ったレコーディングが残されていない。理由は良く分からないが、後年はレッスンやエチュード、教本の執筆に多くの時間を割いていたためではないかと思われる。

しかし最近、ラリー・ティールの録音がインターネット上にアップされているとの情報を得た。「ホラ・スタッカート」と名前がわからないもう一曲。ぜひ聴いてみていただきたい。ダウンロードするには、右下の「Save file to your PC: click here」をクリックすれば良い。

「ホラ・スタッカート」
http://www.2shared.com/file/3704522/52944310/Hora_Staccato_Larry_Teal.html

「不明」
http://www.2shared.com/file/3704525/ccf0d6b3/Unknown_LarryTeal.html

オーケストラとの共演、実に見事な演奏だ。高音まで無理のない伸びやかな音色と、等速にかかるヴィブラート、高速なフィンガリングやスタッカート、自然なフレージング。二曲目は、途中で針飛びが起こるが、まあご愛敬。ラリー・ティールの、当時の一級の演奏家としての顔を現代に伝える、貴重な資料である。

2008/08/04

Sergey Kolesov plays Fuzzy Bird on YouTube

2006年ディナンのアドルフ・サックス国際コンクールの覇者、セルゲイ・コレゾフ Sergey Kolesov氏の演奏動画。吉松隆「ファジイバード・ソナタ」の第2楽章と第3楽章である。



なんだか、「うおぉーーーっ」って感じですね。音程感はやや甘いが、それを見事に補うフレーズの持続力。想像を絶するレベルだ…聴いているこちらのほうが、息苦しくなってしまいそう。暗譜である、ということも関係しているのか。全てのメロディを頭に叩き込んで、その音符を自在に操っているということなのだろうか。

このアプローチは、グネーシン音楽大学のサクソフォン科教授、マルガリータ・シャポシュニコワ Margarita Shaposhnikova女史の教えの影響が大きいだろう。独創的だなあ、と思うのだが、シャポシュニコワ自身は、どのようにしてこういう教育体系を構築したのだろうか。他の楽器からヒントを得たのかな。

公式サイトもオープンしていたようで。以下のリンクから辿ることができる。ロシア語のメニューでびっくりするが、左のメニューから英語にも切り替えられるのでご安心を(バイオグラフィをそのうち翻訳する予定)。

http://www.sergeykolesov.com/

そういえば、ディナンの本選動画もあった。課題曲ピート・スウェルツ「コテカン」の最終部分。改めて観ても、すげー。

カリーナ・ラッシャー最後の弟子

詳しい経緯は省略するが、最近、シガード・ラッシャー Sigurd Raschèrの娘、カリーナ・ラッシャー Carina Raschèrの最後の弟子である、Anna-Nora zur Niedenさんとお話しする機会を持つことが出来た。ドイツでサクソフォンを学ばれ、9歳頃からおよそ10年間に渡ってカリーナの下でサクソフォンを学んでいたそうだ。

最初はヤマハの楽器にラッシャーのマウスピースを取り付けて吹いていたこと、そのマウスピースの形状のこと、カリーナに勧められて買ったブッシャー Buescherのサクソフォンのこと、Buescherのレクチャーフィルムのこと、バッハなどのレパートリー、オーバートーンの練習、カリーナの四重奏での活動など、現在まで私自身が得たラッシャー派に関する知識を裏付ける内容だった。

しかしなにより、「Is she a good teacher?」という質問に、「Yes, yes!」と大きく頷いていたのが印象深い。素晴らしい先生であり、レッスンのたびに大きなインスピレーションを受けたそうだ。

私が今まで疑問に思っていたことの一つに、ラッシャー派の生徒たちは、いわゆる「クラシック・サクソフォンのメインストリーム」から外れた自分たちのことをどう思っているのか、ということがある。だって、まわりは皆ピカピカのセルマーを持っているのに、Buescherなどの古楽器を使うことに抵抗を感じないほうがおかしくないか?

しかし、Annaさんの話を聞くにつれ、その疑問が氷解した気がした。ラッシャー派のサクソフォン演奏に対する確固たる信念が、教え子たちに脈々と受け継がれているのを感じたのだ。楽器の良し悪しやレパートリーなんて関係ない、彼らがラッシャーの教えを存続させている理由は、もっともっとメンタル的な部分にありそうだ。

2008/08/02

SaxBiz

オーストラリアのサイト、Reed Music内にあるサックスの音源を試聴できるページ。以下のリンクから辿り、左上の作曲家のイニシャルをクリックすると、リストが表示される。

http://www.reedmusic.com/saxbiz/index.html

どの曲も、冒頭の一分間だけを試聴することができる。かなり老舗のサイトで、私が高校生だった頃以前から存在する。超スタンダードな曲からもの凄いキワモノまでと、守備範囲は実に幅広く、まだ所有CDが少ないころには良く利用していた。懐かしいなあ。「こんな響きのサックスの作品があるんだ!カッコイイ!」と、冒頭の一分間を何度も繰り返し聴いたっけ。

「Les 7 Iles」を始めとするクリスチャン・ローバの作品を、好んで聴いていた覚えがある。いまでこそ、「「Christian Lauba - Joel Versavaud / Neuf etudes pour saxophones 1992-1994(Maguelone MAG 111123)」を入手したりと、手持ちの音源は増えているが、好んで聴いていたころは何も持っていなかったからな。

ちょっと残念なのは、廃盤となったものが多いこと。私自身も、未だ「Ôsmos」「Sunthesis」は探索中。入手の望みは実に薄いが。

とはいえ、いろいろと覗いてみると、お気に入りの曲が見つかるかもしれないですぞ。当時の私は知識も少ないし、周りに流れる情報量も少なかったけれど、こういったところで目星をつけ、探索していたのだ。

2008/08/01

伊豆に

友達9人と伊豆に行ってきた。平日2日間を無理やり空けてしまう、ってのは、夏休み中の学生の特権?かも。雨も降らず、ずっとお日様に恵まれて良かった。

出発→伊東市でお昼ご飯→買出し→弓ヶ浜で磯遊び→お風呂(塩水温泉)→バーベキュー→人生ゲーム→宿泊→起きる→海で遊んだ!→海が真正面に見える温泉→夕食→道中、花火大会に2度遭遇→帰宅。

研究のことや音楽のこと、一切考えずにリフレッシュ。楽しかったあー!