2017/10/18

カルッツ川崎開館記念TKWOコンサート

【東京佼成ウインドオーケストラ 吹奏楽大作戦 in 川崎】
出演:海老原光(cond)、本田雅人(sax)、東京佼成ウインドオーケストラ、一般公募演奏者
日時:2017年10月9日 18:00開演
会場:カルッツ川崎(川崎市スポーツ・文化総合センター)ホール
プログラム:
河辺公一 - 高度な技術への指標
保科洋 - 風紋
酒井格 - たなばた
アルフレッド・リード - アルメニアンダンス・パートI(一般公募演奏者との合同演奏)
ビル・チェイス/岩井直溥 - 黒い炎(サクソフォン:本田雅人)
和泉宏隆/真島俊夫 - 宝島(サクソフォン:本田雅人)
ジェローム・カーン/岩井直溥 - 煙が目にしみる(サクソフォン:本田雅人)
ルイ・プリマ/岩井直溥 - シング・シング・シング(サクソフォン:本田雅人)

妻が一般公募の催しに乗っていることもあり、聴きに伺った。カルッツ川崎オープン記念ということで、祝祭的な雰囲気の中、華々しい演奏が繰り広げられた。東京佼成ウインドオーケストラを聴いたのは久々だったが、やはり上手い。さらに指揮者のキャラクター(とてもわかりやすくかつ面白い指揮をされる方)も相まって、とても楽しく聴くことができた。一般公募者を交えた「アルメニアンダンス」も、とても聴き応えのあるレベルまで仕上がっており、もちろん細かい部分ではいろいろとあったが、圧倒的な推進力の前に、無意味な批評だろう。ちなみに、アルトサクソフォンのソロは一般公募の中学生?高校生?っぽい方だったが、とても上手でびっくり。

後半は、都合により聴くことができず…(>_<)ざんねん。

カルッツ川崎オープン記念にふさわしい催しだったと思う。ぜひ今後も魅力的なイベントを続けていただきたい。

2017/10/15

ロンデックス氏の注目著作、発売開始

ジャン=マリー・ロンデックス Jean Marie Londeix氏著"POUR UNE HISTOIRE DU SAXOPHONE ET DES SAXOPHONISTES"の第1巻が発売開始となった。

ロンデックス氏による、アドルフ・サックスから現代(2000年)までの、サクソフォン史を網羅し解説した著作である。何年も前から執筆が始まっていたことは知っており、また、日本のサクソフォンについてロンデックス氏に情報提供していたため、発売を心待ちにしていたのだが、まずは第1巻(Livre 1)が発売。今後3巻までが順次発売予定となっている。

Livre 1 - 1814-1899 Adolphe Sax
Livre 2 - 1900-1942 Internationalisation du saxophone
Livre 3 - 1942-2000 Le saxophone de concert

Delatour Franceからの出版で、第1巻は22ユーロとのこと。次の第2巻以降も楽しみだ。ちなみに…第2巻は1900年から1942年となっているが、1942年はパリ音楽院(現在のパリ国立高等音楽院)のサクソフォン・クラスが、時の院長クロード・デルヴァンクールの尽力によって再開された年だ。

http://www.editions-delatour.com/fr/organologie/4006-pour-une-histoire-du-saxophone-et-des-saxophonistes-livre-1-9782752103420.html

日本語版…と贅沢は言わないので、せめて英語版が出ないかなあ…。

2017/10/03

チルドレンズ・ソングのサクソフォン四重奏編曲譜

イギリスのアポロ・サクソフォン四重奏団が演奏し、CD(「Bow Out」ならびに「First & Foremost」)にもなっているチック・コリア「チルドレンズ・ソング」のサクソフォン四重奏編曲。彼らの演奏した楽譜は、メンバーのロブ・バックランド Rob Buckland氏がアレンジしたものだが、未出版であり、その楽譜を入手することはできなかった。いつだったかバックランド氏に楽譜を貸してほしいと尋ねたことがあるのだが、その時はなぜか「ピアノ譜をアレンジしてやると良いよ」とだけ言われて、楽譜を借りることはできなかったのだった。

それから数年。何気なくAstute Musicのサイトを眺めていたところ、なんと同アレンジ譜が出版されているではないか!!びっくりした…。
https://www.astute-music.com/store/p244/Childrens_Songs_%28sax_quartet%29_by_Chick_Corea.html

バックランド氏によるノートには、以下のように書かれている。

オリジナルの編曲譜は長きに渡り行方不明となっていました。そこで、記憶とCD/ライヴ録音を頼りに、再度楽譜として書き直すことにしたのです。出版にあたり、許可を得るためにチック・コリアにコンタクトを取りました。彼は、自分の(素晴らしい)音楽をより多くの聴衆に紹介してくれることを願って、出版を快諾してくれました。

なるほど、オリジナルの編曲譜が失くなっていたのか。何がきっかけになったかは分からないが(オリジナルの編曲譜ではないにしろ、同じ編曲者による忠実に再現を試みた楽譜が)再度出版の運びとなったのは大変喜ばしいことだ。私も早速注文しようと思っている。

2017/10/01

日本人女性作曲家によるサクソフォン四重奏曲

「日本人の女性の作曲家によって書かれたサクソフォン四重奏作品には、どんなものがあるか?」

お知り合いの方に質問されたのをきっかけに、Facebookで広く訊いてみたところ、多くの方からこんな曲もあるよと教えていただいた。以下にまとめたリストを掲載しておく。

木下牧子 - アンダンテとカプリッチョ
三浦真理 - ティータイムの画集
平部やよい - 4つの自我
平部やよい - Dice
平部やよい - 倖せヲ呼ぶ嶌
名田綾子 - サクソフォン四重奏曲
名田綾子 - トライフル
名田綾子 - 元禄花見踊りの主題による7つの変奏曲(SaxQ+pf)
石毛里佳 - アレグレットとプレスト
石毛里佳 - 海にまつわる三章
石毛里佳 - Sparking!
石毛里佳 - 幻舞曲
大嵜慶子 - ココロコ(SaxQ+pf)
大嵜慶子 - 滄海変じて桑田となる(SaxQ+pf)
織田英子 - 東回りの風
鈴木歌穂 - 黎明の空へ
鍋島佳織里 - スプラッシュダンス
三浦真理 - ファンタスティック・モネ
阿部清美 - エターナルブルー
田中久美子 - 四十雀のさえずり
山根明季子 - 水玉コレクション No.16
内田祥子 - Blue Blue
内田祥子 - Blue Vacation
名倉明子 - henkies
宮前知永子 - サクソフォン四重奏曲2番

2017/09/27

マクリスタルの吹く「Hard Fairy」

これはいい!イギリスのサクソフォン奏者、ジェラルド・マクリスタル Gerald McCrystal氏の演奏による、グラハム・フィトキン「Hard Fairy」の演奏。ライヴならではの僅かな疵もあるが、伸びやかな音色と絶妙な味付けが素敵。ハール、ハラームとの演奏とは違った方向性ながら、魅力的な演奏だ。

Sax Allemandeのゴルトベルク変奏曲

Sax Allemandeという、ドイツのサクソフォン三重奏(そう、珍しいことに"三"重奏)団体が演奏した「ゴルトベルク変奏曲」の演奏録音を入手。CDでの入手が難しそうだったため、iTunesストアから購入した。

https://itunes.apple.com/jp/album/bach-goldberg-variations/id258462049

基本的には三重奏(SAB)で演奏が進むが、一部の変奏では、テナーサクソフォン奏者として、マルカス・ワイス Marcus Weiss氏が参加している。どの変奏も高いテクニックで演奏されており、さらに小気味よくヘヴィになりすぎない音作りが印象的。2005年の録音とのことだが、近年のトレンドを良く捉えた、ヴィブラート控えめのスッキリした演奏。

サクソフォンのゴルトベルク変奏曲といえば、クローバーSQのものも有名だが、少し違ったアプローチで楽しめた。Danish Saxophone Quartetの演奏も気になっているところ。

2017/09/23

上野耕路とソシエテ・ノワール第二回公演

【上野耕路とソシエテ・ノワール第二回公演】
出演:
 上野耕路, pf & hammond
 武井誠, 篠笛 & 尺八 & fl
 中村仁樹, 尺八
 真部裕, vn
 多井智紀, vc
 内田義範, bs
 播摩祐子, fender rhodes
 杉野寿之, drs
 松永天馬, vo
 神木優, 司会
日時:2017年9月19日 19:30開演
会場:目黒ブルースアレイ
プログラム(すべて上野耕路作品):
 9 Etudes Japonaise(A, B, C, E, F, I, J, K, Lの全9曲)
 ソシエテ・ノワール
 サマータイム・ゾンビ
 見知らぬ友人
 ピアノマン
 むこうみずな寓話
 アルケイディア
 エヴァ
 グッドレッドロード
 恋するさるとる
 探偵ごっこ
 プロパガンダはもうやめて
 エーテル・ダンス
 ピニャ・コラーダの冒険
 Etude japonaise C(アンコール)
 サマータイム・ゾンビ(アンコール)
 ピニャ・コラーダの冒険(アンコール)

「ソシエテ・ノワール」は、ここ最近上野耕路氏が取り組んでいる音楽ユニット/プロジェクトの名前。第1回目のライヴには伺えず、その後発売されたライヴCDを聴いて魅力を知り、今回のライヴを心待ちにしていた。今回はすべてが新作(上野氏自身珍しいとおっしゃっていた)、和洋折衷の不思議な編成にも関わらず、魅力的な曲ばかりの鮮烈なライヴだった。何度もブログで書いているが、上野耕路氏の作品は、一聴した瞬間に上野耕路氏の作品である、ということがわかるのが凄いと思う。単なる作曲ではなく、ある種のジャンル形成とでも言えるだろうか。グロテスクな響き、しかし途方もなく美しく、時に楽しく、いったいどのような発想でこのような作品を生み出しているのか、頭の中を覗いてみたいくらい(ちょっと太田螢一氏のイラストみたいな発想だな)。

前半は、和楽器をフィーチュアした9曲のエチュード。緩急対照的な曲が続き、速い曲ではカタルシス的な効果を生み出す音運びも。あえて和楽器の通常奏法のみを使ったとのことだが、そういった制約があるからこその面白さもあったと思う。後半は、松永天馬氏(ときどき神木優氏)をヴォーカルに迎えての独特の世界観を湛えた作品のオンパレード。セットリスト/歌詞カードが配布されたのも嬉しく、じっくり堪能することができた。

コンサート自体はテンポよく進んだが、休憩・アンコールも含めて3時間!大満足のライヴとなった。またぜひ伺おう。ビッグバンド編成もまたやってほしいなあ。